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アンチエイジングは日常生活から
アンチエイジングの目的と健長寿をまっとうするための22か条(前編

はじめに

1997年に122歳で亡くなるまで長生きをした女性は、117歳まで喫煙をしており、チョコレートが大好物だったようです。喫煙は百害あって一利なしというように、皆さんの健康を害することは周知の事実ですので、喫煙を肯定する気は全くありません。

では何故彼女がここまで長生きできたのか・・・。
ここに今回のテーマ22か条の秘密があるように感じます。

詳細は本文で述べますが、彼女は人生を非常に楽しく生きていたのだと思います。現代社会では彼女と同じように楽しく、ストレスを抱えずに過ごすことは非常に困難だと思いますが、まずはなるだけストレスを抱えず楽しく生活をしていこうと心がけることが大切なのではないかと思います。昨今、アンチエイジングが至る所で流行っていますが、ストレスを感じながら行うくらいなら、意味が無いとさえ思えます。さらに無理をすると長続きしません。
私はアンチエイジングは各々が個々の出来る範囲内で、楽しく幸せに継続して行えることが一番だと考えています。体にいいことは推奨されますが、それを実行しただけで健康や抗老化が保障されるわけではないのです。

今回は最初ということで、ちょっと難しいかも知れませんが、アンチエイジングの意義とは何かということを中心に考えてみたいと思います。

アンチエイジングの第一目的は体の中の若さを保つこと

日比野先生

アンチエイジングは、正しくはアンチ・エイジング・メディケーション(Anti-Aging Medication)といいます。日本語に訳すと「抗加齢療法」で、加齢と共に生じる老化現象を食生活や運動・サプリメントなどによって予防し、実際の年齢よりも心身共に若く保つことを目標とする療法のこと。医学的には比較的新しい分野ですが、予防医学が重要視されるようになるに従って注目されるようになりました。

私は、まず健康で長生きすることが基本で、「実年齢よりも若く」という目標は、そのなかにあると考えています。近年、再生医療が発達し、老化した皮膚を若返らせる研究が進んで治療法も開発されてきていますが、表面だけ若くなっても内部の“老朽化”が進んでいれば健康とはいえません。

大切なのは、体の中の老化を防ぐこと。これがアンチエイジングの第一目標。肌など見た目の若さは後からついてくるものなのです。

まずは老化を促進する生活習慣の見直しから

遺伝因子? 環境因子?

アメリカのアンチエイジング学会には老化を炎症とする考え方がありますが、私も老化を疾患の一つととらえています。

老化も、多くの疾患が遺伝因子と環境因子によって引き起こされるのと同じように、その二つの因子が関係しています。

遺伝が理由による遺伝因子は現代医学では明確な治療法が確立されていませんが、老化を促進するもうひとつの環境因子には自分の心がけ次第で改善できるものが多くあります。

その大きな部分を占めているのがやはり生活習慣で、中でも現代人にとって大きな課題となっているのは、不規則な生活・栄養素の欠乏・運動不足です。 多くの人が、このうち二つ以上は当てはまるのではないでしょうか。

健長寿をまっとうするための22か条

それではここで、ヨーロッパのアンチエイジング学会で話されたちょっと面白いお話をご紹介します。

これは、世界中で100歳以上まで生きた人々に共通した22か条をまとめたものです。 国による習慣や考え方の違いもありますが、どのような考え方・とらえ方が長寿に大きく影響しているかが見えてくると思います。

01) 生きるという意志:年老いていくことへの勇気づけ
02) 順応性(適応能力)
03) 生きることへの意義
04) 活動的であること
05) 前向きな姿勢
06) ストレスや悩みをかかえない
07) ストレスへの対応
08) 自己決断力
09) よい精神状態を保つ
10) 高い教育、教養を有する
11) 社会的なつながりに対して積極的
12) 愛情・友情をもつこと
13) 若いころからの恋愛
14) 親密な家族との生活
15) 自由な意志
16) 100歳精神
17) 歳を感じていない
18) 神への帰依の精神
19) 信仰や価値観の伝統を受け継ぐ
20) 安定した生活のリズムをもつ
21) 安定した1日のサイクル
22) 満足のゆく睡眠

いかがですか。

薬に頼って健康を保つのは、真のアンチエイジングとはいえません。アンチエイジングで、一番大切なことは、生活習慣を改善することです。日常生活のなかで、それぞれの方ができる範囲で、幸せに楽しくできることからはじめる事が大切だと考えています。
無理は長続きしませんし、それがストレスになっては意味がありません。

また「体にいいこと」として推奨されていることでも、それが絶対かというと、必ずしも万人に当てはまるとはいえないものもあると思います。まずは健康に留意して毎日を過ごすことが大切なことだと思っています。

次回は、この健康で長生きするための22か条について、ただ長生きするだけではなく、健やかに充実した生き方をしているどんな方々がいるかご紹介しながら、もう少し詳しく説明させていただきたいと思います。

⇒ 「アンチエイジングは日常生活から(後編)」はこちら

日比野 佐和子氏 プロフィール

医師・医学博士、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター所属
日本抗加齢医学会評議員、WOSAAM世界アンチエイジング学会学術顧問日 本代表、Euromedicom日本支部学術顧問、日本胎盤臨床研究会理事
大阪大学医学部大学院医学系研究科卒業・博士課程修了。エイジングケアの領域におけるスペシャリストとして、皮膚科、眼科、エイジングケアと研究分野は多岐にわたる。内面、外面から「美と健康」をトータルマネージングするエイジングケアの専門家として、国内はもちろん海外でも活躍中。

■資格:
米国抗加齢医学会認定医(A4M)/ヨーロッパ抗加齢医学会認定医/日本抗加齢医学会専門医/米国先端医療学会(ACAM)キレーション治療認定医(APCT)/日本医師会認定産業医/日本臨床栄養協会認定サプリメントアドバイザー /JAA認定アロマコーディネーター/JEA認定アロマセラピスト/米国ISNF認定サプリメントアドバイザー/JNF認定サプリメントアドバイザー
■所属学会:
ヨーロッパ抗加齢医学会会員/国際ホルモン療法学会会員/日本皮膚科学会会員/ 日本研究皮膚科学会会員/米国先端医療学会会員(ACAM)/米国美容皮膚科学会アカデミー会員/米国眼科学会アカデミー会員(AAO)/米国加齢研究会会員(AAA)/ヨーロッパ長寿学会会員/ヨーロッパレーザー美容外科学会会員/日本再生医療学会会員
■その他:
米国ハーバード大学医学部生涯教育課程研究生/上海中医薬大学中医師専攻生 (中医学)

 

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