bg
日本舞踊とアンチエイジング
古典芸術に学ぶ日本人の心の在り方と若々しさの秘訣		
				
『市山会』  平成八年八月十日 於・国立大劇場

日本の古典芸能として世界的にも有名な日本舞踊。日本文化の神髄である日本舞踊が近年、海外でも注目され、Nihon Buyoとしてその名が定着しつつあります。伝統なしに現代はなく、現代を知らずして伝統の意義は測れません。日本人として知っておくべき日本舞踊の魅力を、東京市山流の宗家と家元のお二人に伺いました。

プロフィール

市山松翁

市山松翁(いちやま しょうおう) 本名:加藤清 昭和16年6月24日生

4才の時から母 五世松扇に師事、また後に宗家 藤間勘十郎に師事。
16才の時、先代 松本幸四郎師(八代目)に部屋子として入門し、歌舞伎修行。同時に、連続テレビドラマ「ヒマラヤ天平」において主役の天平を演じる。
昭和34年9月、明治座に於いて六世家元を襲名。
平成2年9月に家元襲名30周年記念公演を東京国立大劇場にて開催。
全国の第一線の舞踊家が集う日本舞踊協会主催(後援東京都、NHK)の日本舞踊協会公演には市山流は毎回欠かさず出演している。
東京に本拠を置き、各地で門下の指導に当たり、流儀の舞踊公演は毎年東京、横浜、静岡、神戸、博多等で開催している。
代表作として義太夫「里見八犬伝結城戦争の段」、長唄流舞「山」、「扇」等がある。
平成16年5月9日、国立劇場大劇場に於いて息子に家元を譲り、母の名を継ぎ松翁を名乗る。

○役職
社団法人日本舞踊協会 参与、同東京支部城南ブロックブロック長/全日本舞踊連合 常務理事/品川区舞踊 連盟会長/東京桜田門ライオンズクラブ チャーターメンバー

市山松扇

市山松扇(いちやま しょうせん) 本名:加藤勇 昭和42年2月25日生

幼少の頃より父(現宗家、松翁)に師事。
昭和44年9月 2歳7ヶ月で新橋演舞場に於いて「勇肌神田祭」」にて初舞台。
昭和57年12月 父、現宗家より二代目松之助を許される。
平成2,3,4年 日本舞踊協会主催、各流派合同新春舞踊大会に於いて大会賞受賞、併せて会長賞を受賞。
平成10年12月 同士11名からなる日本舞踊集団『狐の会』を結成、代表となり幅広く活動。弧の会作品「御柱祭」にて2000年度舞踊批評家協会賞新人賞受賞。
平成15年度花柳壽應賞第17回新人賞受賞。
平成16年5月9日、国立劇場大劇場に於いて父(現宗家、松翁)より七世家元を襲名、松扇を名乗る。
平成17年 平成16年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
現在、フジTV系ドラマでもご存知の「大奥」明治座10月公演、名古屋中日劇場11月公演では振り付け、所作指導を担当している。

 

−−まずは、日本舞踊の成り立ちについて教えてください。

インタビュー1

日本舞踊は歌舞伎から生まれました。

初期の歌舞伎はほとんどが舞踊で、それがだんだん進んでセリフ劇を産み、今の複雑な形態を成すに至りました。同時に舞踊も歌舞伎の一種として進歩・発達してきたのです。

以前は振り付けの仕事は役者が行っていましたが、複雑化してく中で専門の「振附師(ふりつけし)」という仕事が生まれました。さまざまな振附師が出てくるなかで、それぞれの個性も生まれ、そこから流儀へと発展していきました。そしてその振附師や弟子たちが役者以外の町人に教え出したのが、現代でいう日本舞踊の師匠になるわけです。

インタビュー2

−−東京市山流とは、どういうものですか。

日本舞踊の流派の一つで、現在、市山流で流祖としている人は、長唄「越後獅子」を振り付けした人です。

多数ある日本舞踊の流儀の中でも古く、三百年以上の歴史を持ち、日本舞踊を代表する伝統的流派です。現在の家元、市山松扇で七代目です。

−−日本舞踊は難しい、という印象がありますが。

インタビュー3

日本舞踊は、けっして特殊なものではありません。日本舞踊には日本の美しい風景や日本の文化が詰まっているストーリーがついています。初心者の方は手順を覚えようとしてしまいがちですが、音を聞き、ストーリーから入っていけば、もっと自然に覚えられると思います。

現代では使われていない言葉が多い邦楽も、聞き慣れると意味も聞こえてきます。形で覚えようとするのではなく、内面を感じながら踊ることが大切なんですね。

−−お二人にとって、日本舞踊の魅力とはどんなところにあるのでしょうか。

インタビュー4

日本舞踊は「これで終わり」ということはなく、一生修業です。奥が深くてゴールがない、そこが一番の魅力ですね。それに次々に欲が出てくるので、満足することはありません。

また日本舞踊には、日本の文化が集約されています。作法や姿勢、美しい所作、礼儀、精神、さまざまなことが学べるのです。たとえば日本舞踊の動きは、日常の所作を美しく表現したものです。それらの所作は着物を着たときに美しく見えるよう考えられてきたものですから、日本舞踊を続けていくうちに着物が文字どおり身につきます。これは日本人としての誇りにつながるのです。

日本舞踊を学ぶことは、和の文化の大切さを改めて考えるきっかけにもなりますね。日本舞踊を通して日本の伝統を学ぶことで、日本人であることを忘れたくないと、しみじみ思います。

1 |  2

>アンチエイジングワールド トップページへ

  • 子供たちのチャイルドドクターになってください。
  • アンチエイジングワールドとは・・・
健長寿のためのヘルシーフードピラミッド   インプラント ドクターズ