

津田先生(以下Dr.津田と省略):「歯というのは生物にとって、食べるため・威嚇するため(武器)などの用途があります。特に人間にとっては顔つくるためのパーツでもありますから、その人のQOLを保ためにも歯とは一生うまくつきあっていく必要があります。そのためには、歯を治す治療つまり歯科治療を受けなければなりません。私は、歯のアンチエイジング=歯を治すことだと考えています」
Dr.津田:「歯は、食べ物や酸、温度変化にさらされており、その状態から噛むという動作を行っています。噛んで食べるという動作は、歯それぞれに約15キロの力が加わっています。それよりもっと歯を深刻な状況にしているのが、歯ぎしりです。歯ぎしりは、ストレス発散には必要な行動ですが、歯全体に約50キロの力が加わっています。朝起きたときに、よく寝たと思っているのに肩こりがすごいと感じる人がいると思いますが、そんな人は寝ている間の歯ぎしりを疑ってみましょう。歯ぎしりは悪いもののように言いましたが、ストレス解消のためには必要なものですから、良い歯ぎしりをできるように環境を整えてあげることが必要です。実は歯ぎしりは、特別なことではありません。90%以上の人が、歯ぎしりを行っているという事実が確認されていますから。良い歯ぎしりの環境整備は、やはり歯科で相談することが大切です。
食べ物や酸、温度変化、歯ぎしりと口の中は過酷な状況になっています。その中で歯を一生保つために、噛めるだけの治療で良いでしょうか?答えはNOです。歯ぎしりもそうですが、噛めるからもっと先の治療を受けなければいけません。」

Dr.津田:「歯は、治療とメンテナンスの繰り返しです。多くの人たちが噛むために治療は受けています。生きている間ずっと歯を良い状態にするには、治療の先のメンテナンスをする必要があります。というのも、40代をすぎるとかなりの人が歯周病に侵されます。これは身体の免疫が下がり、歯垢が影響して引き起こされているのです。この歯垢をコントロールするには、ブラッシングでプラークを取り、血行を良くすればいいのですが、なかなか自分でうまくできないのも事実です。
ブラッシングの指導やプラーク除去などのメンテナンスを3ヶ月に1回くらいは受けるようにしてみてください。また、歯はちゃんとかんでいれば動いていきます。一生同じ場所にはいないのです。特に年齢を重ねると、歯が磨きにくくなったと感じる・・・それこそ歯が動いた証拠なのです。そんなときもメンテナンスを受けていれば、即座に発見でき、治療ができるというわけです」
Dr.津田:「そこは歯科医の努力も必要ですね。歯を削る音も昔よりはかなり静かになってきていますし、治療そのものもかなり進化しています。患者さんが気持ちよく治療をうけられるように環境を整えてあげなければなりません。そのためにも、インフォームドコンセントをしっかりと行う必要があります。歯科に来ることが気持ちよいことと感じられるように、歯科医の努力も必要だということです。患者さんが歯医者に行かなければならないという気持ちではなく、行きたいと思うようになってもらうように歯科が変わらないといけない時期でもあります」