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ガイドレビュー

医学としてのアンチエイジング
医学としてのアンチエイジング - 青木晃

昨今、日本でもアンチエイジングという言葉が大分浸透してきました。
「アンチ=抗う」、「エイジング=加齢」という意味ですから、直訳すれば「抗加齢、抗老化」。

このアンチエイジング、女性が外見の若返りのために行う美容(エステ、化粧品、美容外科など)のことのようなイメージが先行していますが、実は医学(医療)としてのアンチエイジング(抗加齢医学)というものが最近注目されつつあります。
医学・医療というと、病気や病人を治すためのものと考えられがちです。実際20世紀までは医学の対象は人間の「病気」、「疾患」に対する科学的アプローチでありました。ところが、ここにきてそれが変わってきたのです。これまで、生物としての人間にとって「老化」して「死」を迎えることは生理学的に不可避であるとされていたのが、現代医学によってこの「老化」や「加齢」のメカニズムが段々と解明されてきました。そしてついには医学の力で「老化」のスピードを遅らせるということが現実的になってきたわけです。アンチエイジング医学の対象は「病気」ではなく、「老化」も含めた「健康」状態のレベルアップなのです。

アンチエイジングは単なる見た目の“若返り”を主とした美容的なものだけではなく、体の内側からのアプローチを意識し実践することで、「健康長寿」を目指すということでもあります。美容的なアンチエイジングだけでは、それは“張りぼて”アンチエイジングと言われても仕方ありません。いつまでも若々しくきれいに歳を重ねていくためには、体の中も若々しくある必要があります。「プチ病」、「プチ不調」知らずの元気でごきげんな健康状態をゲットし、それを維持していくことこそが医学としてのアンチエイジングの本質なのです。

医学としてのアンチエイジング - 青木晃

百歳まで生きた人はオプティマヘルス実践者

世界的な長寿国として知られるこの日本において、確かに平均寿命は延びてきていますが、長生きされている方全員が必ずしも質の高い長生きをされているわけではありません。寝たきり、認知症(痴呆)、長期に渡る入院生活などがベースにある高齢者も多いのが現状でもあります。
百歳まで健康で元気に歳を重ねてきた“百寿者”の方々を対象に、なぜ健康長寿でいられたのかを研究してわかったことは、「バランスの良い老化」、「弱点のない老化」をされていたということ。少々血圧や糖が悪くても、ひどい高血圧症や糖尿病でなければ良いのです。「歯も20本くらいは残っていて、耳も少し遠いけれども、会話には不自由しない。朝食べたものを夜聞いてみれば、八割がたは思い出せる。腰は曲がっているが、街中を散歩することくらいは楽々出来る。」これが弱点のない老化ということです。その歳、その歳における最高の健康状態、これをオプティマル・ヘルスといいますが、このオプティマル・ヘルスを目指すことこそがアンチエイジング医学の基本です。プチ病、プチ不調があるのはオプティマル・ヘルスの状態とは言えません。


アンチエイジング医学はオプティマヘルスな状態を目指す

体の機能の老化現象は40歳過ぎ頃から個人差が出てきます。同じ45歳であっても50歳台後半くらいにしか見えない人、あるいは反対に35歳くらいに見える人がいるように、見かけだけではなく体の機能にも差が出るわけです。
シミ、しわが増える、老眼になってくる、骨がもろくなる、記憶力が落ちてくる。また、血糖値やコレステロールが高くなって血液がドロドロになったり、免疫力が落ちることで、がんなどの病気にかかりやすくなるのもオプティマル・ヘルスから遠ざかっているということです。

老化自体は病気・疾患ではありませんが、オプティマル・ヘルスを目指して、この老化のスピードを医学的に遅らせることがアンチエイジング(抗加齢)医学の目指すところなのです。老化を促進させる原因は「遺伝的要因(体質)」、「活性酸素による酸化ストレス」、「ホルモン分泌の低下」、「過栄養状態(内臓脂肪型肥満)」などが考えられています。「遺伝的要因」以外に関しては、ベースとなる日常生活をアンチエイジング的なものに変えつつ、抗加齢医学的方法によるアプローチをもって老化の進展をくい止めることが可能です。また、私たちをこのオプティマル・ヘルスな状態から遠ざける現代人特有のライフスタイルを考え直すことが肝要です。食生活や便利な生活の陰に潜む運動不足、メンタルストレスなどをアンチエイジングな方へ持って行かねばなりません。

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